ラヴェル作曲 「クープランの墓」


1 Prelude
2 Fugue
3 Menuet
4 Rigaudon
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 モーリス・ラヴェル(1875-1937)は今日ではフランスを代表する偉大な作曲家です。1914年に第一次世界大戦が勃発し、愛国心の強い彼は空軍への入隊を志願しますが、虚弱な為に不許可、1916年に自動車輸送隊運転手の任務につきました。しかし、ここでも赤痢になり足に凍傷を負うなど1ヶ月もしないうちに除隊してしまいます。また、作曲活動も思うようにはかどりませんでした。
 1914年〜17年にピアノ独奏曲『クープランの墓』を完成させます。この曲はフランスの18世紀古典音楽界を代表する、クープランのクラヴサン(チェンバロ)組曲の様式に敬意を払いながら書かれ、6人の戦死した友人達の為に6曲の小品からなり、それぞれの曲には彼の友人や知人の名前が記され、作品はその人達に捧げられています。
 1919年ピアノで初演され、翌20年に見事なオーケストレーションで管弦楽版が編曲され初演されました。管弦楽版では『フーガ』と『トッカータ』の2曲が除かれています。
 その明快な作風、組曲の形式、和声的なカデンツはいかにもクープラン風なものを感じさせます。しかし、そこに繰り広げられる音楽はまさにラヴェル的なものであり、クープランの模倣の片鱗も感じさせることのない表現力は、天才のなせる技と言えましょう。
 本日の木管五重奏版「クープランの墓」は、ラヴェル自身の管弦楽版スコアをもとに編曲されたものです。ここでは、管弦楽版の4曲のうち『フォルラーヌ』が『フーガ』に差し替えられています。ピアノ演奏版とは一味違うオーケストラの響きをうまく再現したアレンジです。