ダンツィ作曲 「五重奏曲」ニ長調 作品54」

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第一楽章 Larghetto-Allegretto
第二楽章 Andante con moto
第三楽章 Allegro brillante
全楽章 全楽章を続けて演奏します
フランツ・ダンツィ(1763〜1826)はドイツの作曲家で、ベートホフェン(ベートーヴェン)
と同じ時期に活躍しました。23歳年下のウェーバーと親交が深く、強い影響を受けたと考えられています。その経歴は、後期古典派音楽から初期ロマン派音楽へと作曲様式の過渡期に広がっており、今日のコンサートホールやクラシック音楽の聴取層の誕生と時を同じくしています。 チェリストである彼は、第一級の作曲家とは言えないものの音楽家としてはすこぶる有能だったようで、更に影響力ある宮廷楽長にして指揮者だったのです。作曲家としての彼は、当時の主要なジャンルのオペラや交響曲など幅広いジャンルに数多くの作品を残しましたが、一部の協奏曲以外は今日ではほとんど忘れられてしまいました。その中で、全部で9曲残された木管五重奏曲(作品56、67、68…それぞれ1番から3番まである)は、簡潔でメロディーのはっきりしたバランスの良さから、この編成のための貴重なレパートリーとして広く愛好されています。また、ピアノと木管のための作品を全部で3曲残しました。作品41 ニ短調は、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットとピアノで、作品53 ヘ長調、作品54 ニ長調はホルンの代わりにフルートが加わります。3曲とも、3つの楽章からなり、作品41と54は第一楽章が緩やかな序奏部に続くソナタ形式で出来ています。更に大きな特色と言えば、作品53と54がピアノをソリストとして見立て、あたかもピアノ協奏曲のように木管楽器をミニチュアのオーケストラで伴奏させるような扱いで書かれているのに対し、作品41は、ピアノと木管楽器があたかも対話しているような扱いです。これは明らかに、モーツァルトが書いた「ピアノと木管のための五重奏曲 変ホ長調 K.452」を意識して生まれた作品です。本日は、この3曲中でピアノのメロディーが大変美しく、演奏しながら「ピアノは大変だけど、本当に名曲だね」とメンバーが常々言っていた「作品54 ニ長調」を演奏します。第一楽章は、序奏部とソナタ形式。第二楽章は主題が様々に変奏される変奏曲形式。第三楽章はロンド形式という、当時のこの編成のオーソドックスな形を踏襲しています。そして先述の通り、作品54はほとんどピアノ協奏曲といっても過言ではありません。ではなぜ、そんなにピアノに比重を置いたのか…。それは、今ではモダンピアノが当たり前のように出来る強弱の加減を 当時は楽器としての「フォルテピアノ=ハンマークラーヴィア」の誕生により、初めて可能になったことがあると思います。モーツァルト、ベートホフェンに続けとばかりにダンツィもこれら3曲(ピアノと木管のための五重奏)を試行錯誤しながら書いたものと思われます。