ローラは1994年4月17日にうちに来ました。
しかし、本当はもう少し前からうちに来ていたのです。
そのお話を少し…。
私たち夫婦は結婚してからすぐに犬を飼い始めました。
その犬が天寿を全うしたあとしばらく犬の居ない生活を送っていました。
しかしある日、新聞(ミニコミ紙)広告が目にとまったのです。
それは…。
「犬を預かってください。ゴールデン・レトリーバー」
犬の居ない生活に寂しさを感じていた私たちは「2週間くらいなら預かってもいいよね」と即決しました。
数日してから飼い主さんが「ルビー」というメス(8ヶ月)のゴールデン・レトリーバーを紹介しに我が家にやってきました。
「人間大好き」のルビーは私たちと1分もしないうちに仲良しになりました。
ルビーです…これはもう仔犬を産んだあと。
そしていよいよ預かる約束の数日前になって飼い主さんから電話がかかってきました。
「実は…。ルビーは妊娠していまして、昨日仔犬を産みました。全部で10匹です。
申し訳ありませんが、母犬だけ預けるわけにはいきませんので仔犬も一緒に預かっていただけないでしょうか?
また、ルビーはまだ若いせいか仔犬の世話をあまりしません。
夜3時間おきにミルクをやっていただけないでしょうか?」
「やられた」と思いました。
ルビーが最初にうちに遊びに来た時にはすでに妊娠していたのです。
飼い主さんはそれを知っていて教えてくれませんでした。
それはそうでしょう。
いきなり「母犬と生まれたばかりの仔犬10匹を預かってくれ」なんてブリーダーのような専門家にでもなければ言えるはずがありません。
私たちは決心しました。
それは…。
1、頑張ろう。
2、絶対に「夜中に3時間おきのミルクなんかやりたくない」から、ルビーが自分で子供の面倒を見るようにしつけよう。
というものでした。
実は今の所に越して来た年の5月に多摩川の堤防の上においてあった不審なダンボール箱を見つけてしまいました。 空けてみるとその中には「捨て犬」8匹が入っていました。 まだ目も開いていない仔犬たちでした。 私達にも8ヶ月の子供がいたのですが、「見てしまった」以上仕方なく育てることにしました。 その時はそれこそ「3時間おき」にミルクをあげたのです。 その大変さは身にしみて知っていました。 |
いやがるルビーを寝かせてそこに仔犬を連れて来て無理やりおっぱいを吸わせるようにしました。
何度かそうしているうちにルビーも授乳することをいやがらなくなりました。
見事に10匹の授乳をするようになりました。
さすがに飼い主さんも「悪かった」と思ったのでしょう。
「この中から一番気に入った仔犬を差し上げます」と提案してくれました。
私たちは耳の中にマジックで色をつけて1匹1匹観察し、「これ」という仔犬をいただくことにしました。
それがローラです。
つづくl